浅川洋 展
-MONAD・2006 COUNT-

2006年11月6日(月)-11日(土)

かねこ・あーとギャラリー

東京都中央区京橋3-1-2 片倉ビル1F

TEL 03-3231-0057

--関連情報--

・浅川 洋 展 2006年

・浅川 洋 展 2005年 インタビュー

略歴
1958 山梨県生まれ
1981 武蔵野美術大学造形学部油絵科卒業
個展
1985 コバヤシ画廊(東京)
1987 りゅう画廊(東京)・大谷美術館主催
  ギャラリーほさか(山梨)
1989 柳沢画廊(埼玉)・アルフアヒルズ・ギャラリー(山梨)
1991 ギャラリー砂翁&トモス(東京)
1992 ギャラリー砂翁&トモス(東京
1995 ギャラリートモス(東京)
1997 ギャラリー砂翁&トモス(東京)
2001 三彩洞(山梨)
2002 三彩洞(山梨)
2003 ギャラリー砂翁(東京)
2004 ギャラリー・イノセント(山梨)
2005 小野画廊(東京)
2006 かねこ・あーとギャラリー(東京)
グループ展
1981-89 『試行する美術』展(山梨県立美術館)
1984-89 NEW ART展(山梨県立美術館)
1985-89 西瓜糖(東京)
1988 クラコウ国際版画ビエンナーレ(ポーランド)
1989・90 ペーパーアート展(ベルリン〜バーゼル巡回)
1989〜 絵画のプラクシス展(山梨県立美術館)
1990 第6回こうふ展(山梨県立美術館)・甲府市教育委員会主催
1992 新人選抜展(山梨県立美術館)・山梨県立美術館主催
1997 '97 ぶどうの国の国際版画ビエンナーレ(山梨県立美術館)・県美主催
1997〜 玖人展(山梨県立美術館)
2001 第16回こうふ展(甲府市総合市民会館)・甲府市教育委員会主催
2003 人展(アートセンター.コスモス)
2004 コスモス展「人を信じる心・反戦」(アートセンター・コスモス)
2005 浅川洋・安仲卓二 展(三彩洞)
  「アート・レジスタンス」展(山梨県立美術館)
  第20回こうふ展 (山梨県立美術館)・甲府市教育委員会主催

 

・・・はじめにタイトルをお聞かせください。

昨年に続いて「カウント」のシリーズです。今回は単純に数字をできるだけ多く集積することを意識しました。何故ならその痕跡から何かイメージできるのではないかと思うからです。また、数字そのものの形を重ねていくことで、混沌へと向かい、数の無意味性みたいなものがクローズアップしてくるように思います。

・・・数の無意味性ですか。

数字は記号ですから、一つ一つの数字であれば意味合いがでてきますし、人によって感じるものは違うと思いますけれども、それが集積したり重なっていくことによって意味性を無くしていく。だけどそこに混沌とした何かが残っていく、それが我々のいる世界の様相でもあるのではないかと思うのです。

・・・障子紙に墨で描き込む数字と後ろ向きの数字(ハトロン紙に描いた数字を裏張りしている)が前後して、そこに空間が垣間見えるのを拝見していると、時間の堆積を感じるといいますか。時間のうねりみたいなものを感じます。それが混沌という言葉に集約してしまうのかもしれませんけれど・・・。

波打つような重層していくイメージだと思います。時間を時間軸で考えれば、一直線のイメージがあると思いますし、それは一般的には、未来に向かっているように感じられるかもしれないですね。でも逆に今を起点として過去に向かう意識も大事だと思うんです。私たちはいつも前向きに考える特質がありますが、背中にたくさんの今までの時間なり、出来事なりが無数の星のごとく存在していて、その中にも今と共鳴できるようなものが読み取れるわけです。それを歴史というのかもしれませんけれども、消滅していった中では、それぞれの事象を検証することはできないけれども、それを気配として背中で感じることはできるのではないかと思います。
また、技法的なことをいえば、以前はわりと規則正しく並べて貼っていたものを、今回は紙を破ってコラージュしていますので、もっと複雑な表層がでてきたのではないでしょうか。自分がいる世界というのも、そんなに整然としていないわけで、実際には色々なものが折り重なっている。自身もこの中のパーツの一つであるという意識はかなり持っています。また、この空間で、作品としてそれが成り立ったという思いはありますね。以前は、壁面のドローイングの前にパネルを立てかけて、立てかけることによって空間を意識するような展示の仕方をしていたんですけれども、今回、この空間で初めて一つの平面として独立できたように思います。それまでは、付加するものに語らせて、背後は背後でしかなかった。背後の中にある曖昧なモノが、今回はすっきり現れてきたように思います。

・・・「カウント」の作品の隣にある、サブタイトル「息」との関連を少しご説明頂けますか。

「息」は呼吸をキーワードにしています。息を吸ったり吐いたりすることは、明暗でいえば明るくなったり暗くなったりすることだと思いましたので、絵画的な要素で重層感を意識してコントラストを強くしています。これは描く側の勝手な感覚かもしれませんが、数字をびっしりと密集させていくと、描きながら吸い込まれていくような目眩感を覚えるんです。この作品には、生きているものの息遣いを込められればいいと思っています。

・・・生きて死んでいくまでに、呼吸を何回繰り返すのか数えたわけではないですけれども、その数は計り知れない数字、それが「カウント」の混沌の中に組み込まれていくのかもしれませんね。

今回展示した作品を一言でいえば、「ひしめき」です。一つ一つの数字やものが見えなくなると同時に、全体が現れてくるという感じです。ただ、次回からはひしめいている状態から数字が消えて、それに代わった何かが表出してくるのかもしれませんし、以前骨を描いていたように、そういう欠片やパーツが、数字と掛け合わさっていくかもしれません。それはこれからの課題です。

〜11日(土)まで。

(c)ASAKAWA YOH