木俣創志 展

2007年6月11日(月)-16日(土)11:30-19:00
コバヤシ画廊 東京都中央区銀座3-8-12 ヤマトビルB1F TEL 03-3561-0515

新作の絵画「フェンスと木洩れ日」シリーズより大作3点.ほか小品数点.「フェンスと木洩れ日」シリーズでは3年ぶりの個展.シルクスクリーン,エアーブラシ,ほかの様々な技法を駆使し,アクリルを主とするミクストメディアが素材.
(メイン作品サイズ:162.2×162.2cm,162.2×130.3cm ,227.3 ×162.1.cmが各1点,ほか小品数点)

ジャポニスムと“無名性”

日本にはもともと「art美術(芸術)」という考えはなく,美術を美術として明確に意識化する伝統もなかった.逆説的ではあるが,こうした歴史と伝統のなかに,ジャポニスムの最良の部分が示唆されていると考える.

美術を美術として意識化しない姿勢――否,“美術を意識化した途端にかえってその目的が遠のいてゆくことを直感した美的感覚”.美が本来的に「無名性」を内包していることを,これほど高度に洗練させ先鋭化させた文化はないのではあるまいか.
ジャポニスムにおける「無名性」に私が拘る理由は,自身の制作の根に「無名性」があると考えるからである.

かつて10代の私は,殆どの人付き合いを避けていた.

様々な名前のついた鬱陶しいものから遠ざかっていた.集団の虚飾,学校という名の虚飾,友情という名の虚飾,伝統という名の虚飾……その全てが鬱陶しいものにみえた.どんな“かたち”も虚飾にみえた時,親密に歩み寄ってきたのが,植物の形状やフェンス,そして石ころや水溜まりなどといった意味の無いモティーフたちである.(正確に言えば,あとはせいぜいラジオから流れる音楽と動物くらいであろうか)

果たして,こんなものにどんな意味があるのだろう.その首根を摑まえて問い詰めることがその後の私の仕事になったのである.

自身の行動の全て,そして存在自体に果たして意味があるのか否か,それは人生の最後になって判ることであり,いっさいは,私が愛着を覚える景色のように無意味なのかもしれない.現代人が等しく置かれたこうした状況を作品に映し出すことが出来ればと願い,制作している.    2007/04/22

(c) 木俣創志

関連情報

木俣創志 略歴
東京生まれ.埼玉県立川越高校中退.東京芸大大学院修了.
【個展】
1992 TEPCOギャラリー('94 '96 , 東京)
1994  東京芸大陳列館(東京)
  ギャラリー ART・ACT(東京)
1997  CTIウインドゥギャラリー(東京)
  コバヤシ画廊('99 '00 '01 '02 '03 '04 '05 '06,東京)
1998  ギャラリー52(東京)
2003 イズミヤ・アート・スペース(千葉)
【グループ展等】
1989 第4回ホルベイン・アクリラ・スカラシップ奨学生('93 第8回奨学生)
1991 第16回日仏現代美術展(パリ国立グランパレ美術館 /東京都美術館,他)
  明日をひらく絵画― 第8回上野の森美術館大賞・秀作展(上野の森美術館/彫刻の森美術館,他)
1992 ヨーロッパ遊学(10~11月)
1993 “イマージュの邂逅”―露・日現代美術交流展(世田谷美術館)   
  安宅英一賞
1994  “形而上学者の夢想”3人展(東京芸術大学大学会館展示室)
  第5回TAMON賞展(関口芸術基金賞展 '95 '96 '97 '01 '02 優秀賞, 柏市民ギャラリー,千葉)
  東京芸術大学取手校地第3回創作展・大学院による資料館展示(芸大取手校地芸術資料館,茨城)
1996 裸婦・二人展(アートサロン・ムゲン,埼玉)
  犬養道子著『聖書を旅する1 古代史の流れ・旧約聖書』(中央公論社),装画
  ヨハネ・ベル著『ベル神父 街を行く―日本語で考えた日仏比較文化』(中央公論社),挿画
1998  大柳利与基金による 第3回「個展の集い」(入間市博物館,埼玉)
2001 デッサン展('00 '01 '02 '03 '04 '05 '06 '07,ギャラリー52,東京)
  第1回フィレンツェ賞展・佳作賞('00 佳作賞,'02 '04,'05 佳作賞,雪梁舎美術館,新潟)
  ヨーロッパ遊学(7~9月)
  第38回アート・ナウKANAZAWA(石川県立美術館)
  西山まりえ『見果てぬ夢の先~スペイン・チェンバロ音楽』(日本コロムビア),
  CDジャケット
  エルンスト・クレー著『第三帝国と安楽死』(批評社),カバー作品
2000  ドローイング展(ギャラリー52,東京)
2003 ワークショップ(府中市美術館,東京)
2004 さかいでArtグランプリ2004・佳作賞(坂出市民美術館, 香川)
  第1回とよたトリエンナーレ(豊田市美術館,愛知)
2006 第4回池田満寿夫記念芸術賞展(洋協アートホール,東京/大阪府立現代美術センター,大阪)
  第1回うしくビエンナーレ(シャトーカミヤ本館,他/茨城)
現在 美術家.静岡英和学院大学, 静岡県立大学短期大学部 非常勤講師.絵画サークル「ミューズ」主宰. 無所属.